今回はビジネスパーソンにとって自身の仕事の評価を高めたり、向き合っている仕事の成果を手にするための能力向上にむけた「瞬間20%アウトプット術」についてまとめてみます。
日々、頑張っているのに成果が出ない。評価されない。そんな悩みを持っている方にとっては、一つ変化を生み出すキッカケとなる簡単なテコ入れ策かと思いますので参考にしてみていただけると幸いです。
頑張っているのに成果に悩む人・評価がついてこない人の共通点
仕事環境において「評価されている人」「評価されない人」って分かれますよね?
毎日朝から晩まで長時間働いて、与えられた仕事をやり熟しているのに全然評価されない。
そんな愚痴を言う人も割と多い職場を筆者も結構見てきました。
同じ成果を出している人でも、上司の評価が違ったりもします。
評価の差って、キャラやコミュニケーション力の違いで差が出ていたり、もしかすると学歴やら経歴、年齢などでの扱いの違いから生み出される面もあるかもしれません。
一方で、割とこの「評価されない」ことに悩んでいる人共通点として挙げられやすいのが”丁寧”・”まじめ”というワードだったりします。
もちろん例外は当然あります。
ただ、仕事が”丁寧”過ぎる人ほど、会社におけるコミュニティの中では評価に時間がかかってしまうことがあったりします。
その状況を作ってしまう大きな要因としては『アウトプット』能力の活かし方。
Aさん:完璧な資料を1週間後に提出
Bさん:適度に資料の作成状況をレビューしながら1週間後に提出
仮に同じ内容の資料を成果物として作るにしても、上記の2種類のアプローチで作成プロセスが分かれた場合、評価を得やすいのは結構Bさんだったりします。
逆にいうと、Aさんは同じものを提出したとしても、資料の修正やダメ出しが入る可能性が高いケースもあります。
同じものを作っているのに評価が違うってなんで??
あまり合理的ではないこの結果の違いに、「評価されない」人は常に悩んでしまう。
そんな職場環境で働く人も少なくないのがリアルなのではないでしょうか?
なんで”丁寧”や”慎重”を選択してしまうか
前述の2種類の資料作成アプローチの内のAさんのように、ある程度完成された状態の資料を提出することに拘る人はどういう視点でその行動の選択をとってしまうのかを考えてみます。
俗にいう”丁寧”や”慎重”に準備するタイプの人たちは、かなりの確立で初動のすり合わせを嫌います。
その理由は幾つかありそうですが以下のようなケースが多いかと思います。
・パッとアイデアやイメージが湧かない
・即座に反応できる知識がない(調べないとわからない)
・すり合わせをして注文が増えるのを嫌う
・作成プロセスを崩されるのを避ける
・自分のペースで仕事をしたい
・都度効かれなくても上司のイメージ通りに準備できた姿を見せたい
・コミュニケーションの数を極力減らしたい(ただ「上司が嫌い」も含みますw)
そんな感じでしょうか。
アウトプットに一定の時間をかける必要がある上記のような因子を捨てきれない場合、結果として対外的な初動のアクションをせず、一定時間仕事を自分で抱えることが増えてしまうのが”丁寧”・”慎重”タイプの人たちなのかもしれません。
社内の調整やミッションも然り、対外的な商談や交渉も然り。
職場環境において、この【自分で抱えこむ時間】が多い人こそ、後々割を食う確率を高めてしまうことに、意外と気が付いていない人が多いようです。
「瞬間アウトプット」を意識することの重要性
逆に、Bさんのようなアクションを選択する人はどんなメリットがあるのか。
ある依頼を受けた際に、Bさんがやることは大きく2点です。
・自身が受け取った依頼のイメージを依頼者にしっかり確認する
・初動で作ったアウトプットイメージを生煮えでもレビューする
そんな作成プロセスを数回取りに行くことが基本スタイルになっていると、依頼者とのイメージのズレを修正しながら最終的なアウトプットイメージを構成することができます。
つまり、Bさんのようなタイプの人たちは『瞬間的なアウトプット』の癖付けができている人たち。
おおよその資料のフレームや懸案ポイントの可視化が瞬時に図示できたり、端的なフレーズで言葉にできる鍛錬を積んでいるのです。
また、『瞬間アウトプット』ができる人の最も強みとなる能力は、前例をうまく活用してコミュニケーションをとることができる点にあります。
●上司
「あの商談先Z社との次回の打ち合わせ資料を作っておいて欲しい」
●Bさん
「わかりました。Z社の提案となると、先日のY社との商談で活用した資料構成を活かせるかと思うのですがイメージあっていますか?」
●上司
「確かに。まずあの時つかったフレームでZ社の課題を表現してみて、解決策を補足するような構成でまず作ってみて欲しいな」
といった感じで、お互いの描くアウトプットイメージのズレを起こさないコミュニケーションをしっかりとることができたりします。
また、かなり割合としても多いのですが指示を出す上司や、依頼をするクライアントですらも、割と最初はイメージが固まっていないケースも多いので、彼ら自身のイメージを構築させてあげる意味でも、この初動確認をどれだけ効率的にできるかのセンスが重要となってきます。
Bさんのように、『瞬間アウトプット』ができる人はその能力を良きタイミングで発動しているからこそ、依頼者自体も一緒にイメージを固めてくれるため、最終的なズレを生みだしにくい状況を作れているのです。
ここに、最後の最後で「割を食いやすい」Aさんとの決定的な違いが存在します。
『瞬間アウトプット』能力の高め方
では、この『瞬間的なアウトプット』能力はどのように高めていけるか。
それは、ある意味鍛錬を積むほかにありません。
どんなフレームワークの知見を持っていたとしても、論理的思考能力を持っていたとしても、瞬時に頭の中から適切な絵や図、用語を伝えられるようになるには、「場数」が全てかと思います。
『瞬間的なアウトプット』の筋トレを毎日することで、だんだん精度が高まってきます。
また、自身の上司やクライアントの担当者など、交渉先・依頼元のスタイルや好みに合わせて取り出す『瞬間アウトプット』のパズルのピースが変わってきますので、それを理解・把握する意味でも、何度もトライすることが重要だったりします。
ある意味、このトライ&エラーに臆せず立ち向かって、フィットしていく姿も踏まえて、仕事の「成果」や「評価」が紐づいてくるといっても過言ではありません。
あの人は、都度意識合わせをしてくれる。
あの人は、瞬時に自分の依頼を把握してくれる。
そんな摺りこみ効果もあって、ゆくゆくは昇進や大きな仕事の獲得に繋がっていくといった感じです。
尚、筆者が長年繰り返してきた『瞬間アウトプット』能力を磨くおススメのマイルールを最後に紹介しておきます。
それは【まず20%のアウトプットを依頼を受けてからすぐ作る】です。
日々様々なタスクがあるのは当然ですが、受け取った依頼を後回しにしない為に、それだけはずっと繰り返し続けています。
20%のアウトプットがすぐにできれば、前述の依頼者とのすり合わせもすぐできます。
何より、20%のアウトプットをすることの良いところは、残りの80%をどう積み上げていくかのイメージもこの時点で頭の整理ができてしまう点にあります。
ゼロのまま数時間・数日抱えておくのと、この初動で20%作ることには極めて大きな差が生まれてくるのです。
あくまで、これも筋トレと同じですぐには実感を手にすることができないかもしれません。
ただ、毎日このアクションを選択していくと、数日後・数か月後には過去の自分との差を実感できるようになるかと思います。
ぜひ、このマイルールを取り入れてみてください。
まとめ
今回は仕事における「評価」や「成果」の差分がどこから生まれるかといったテーマを前提に、アウトプットの反射神経の重要さを紹介してきました。
慎重派タイプの人と、即座にレビューができる人の評価の受け方の違いと、受けとった仕事を瞬時にアウトプットしていくメリット。
そして、筆者なりの『瞬間的なアウトプット』能力を高めていく為のヒントを明記させていただきました。
たかが仕事。されど仕事。
人生の多くの時間を仕事に費やすこととなるならば…、同じ成果物を作っても「評価」を受ける仕事をしたいですよね。
頑張っているのに評価してもらえない。
そんな方々が、今回の解決策を取り入れてみてもらったことで何か不遇な部分が改善されていくことがあれば幸いです。
了