信頼される”先輩”になる為の部下や後輩の育成や接し方とは?

信頼される先輩になる為の部下や後輩の育成や接し方とは?スキルアップとキャリア

今回は仕事の職場おける後輩や部下からの信頼を得る方法についてまとめます。接し方や育成の仕方にフォーカスを当てて要点を明示化してみたので、自分が現在どこまで慕われる存在になっているのかがチェックしながら理想的な先輩・上司になる為の自己採点をしてみましょう

■信頼される先輩と信頼を無い先輩の違い

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仕事をする上で避けては通れないのが人と人とのコミュニケーション。
真っ先に意識してしまうのは上司からの目や会社からの評価で、上ばかり見ている人も少なくないですよね。

上ばかり意識する人が多い反面、割と目を背けがちなのが自分にとっての部下や後輩からの信頼度。
円滑に仕事を回していく上では、自分のサポートや管轄組織の仕事を実際に動かす部下の活躍が絶必になってきたりします。

一方で後輩にとって、職場上の先輩や上司は比較的距離が遠いところにいる存在だったりします。

時期によって変化はしますが、筆者自身も大体30~100名組織を管理するマネジメント業務を10年以上続けてきたので、部下や後輩とのお互いの信頼度や理解度がズレや、評価のアンマッチが起きたりするケースも少なくありませんでした。

組織のマネジメントもメンターとしての後輩育成も、やはり人と人とのコミュニケーションがベースで成り立つものなので、誰に対しても通用する接し方・育て方が存在する訳ではありません。

組織としての事業計画を達成できても、部下・後輩の不満が溜まっている時期もありました。
逆に、業績的には課題が残った時期の方がチームや上下関係の一体感が出ていたこともあります。

経済状況や市場・トレンドの動き、会社の組織構成、働き方の変化や多様性の視点など、様々な変数に応じて部下や後輩の育成の正解も変化していくもの。

それでも、常にその変化にフィットさせていくにはどうすればいいか。

部下や後輩が自分に対して求めていたり、期待していることは何なのか。
自分が求めていきたい組織の形や方針、役割や期待値はしっかり伝わっているものなのか。

1on1 mtgを通して相談を受けたり、アドバイスをしていく中で常に疑問と解決の繰り返しをしてきたような気がします。

また、社会人生活の中で多くの組織を管轄する上司やマネジメント担当を見てきた経験からも、いい上司・先輩の共通点とは何か、後輩たちが求めている観点はどんなところにあるかが理解できているかと思います。

  • 仕事で信頼される先輩とは、どんな接し方や育て方の特徴があるの?
  • 仕事で信頼されていない先輩とは、どんな悪しき行動をとっているの?

パワハラやセクハラなど様々なハラスメントリスクを抱えた昨今では、こんな悩みや疑問を持って仕事をしている人も多いかと思います。

年代別や同性・異性への接し方の課題感やケアもまた変わってきます。

今回は実際にどのような特徴や工夫、アドバイスの仕方をすると後輩から”好かれる””慕われる”ようなマネジメントに繋がっていくか。

そんな視点で以下をまとめてみました。

信頼されている上司・先輩の特徴とは

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前述のとおり、筆者の経験談がベースにはなってきますが様々な組織やシーンにおいて、信頼を勝ち得ている俗に言う『良い上司』『慕われる先輩』には、以下のような特徴があるような気がします。

自分で自分のケツを拭ける人

自分の仕事に責任を持ち、やり始めたことは最後までやり遂げたり、部下の失敗ですらも自分の責任として受け入れられる人を指しますが、ビジネスのシーンにおいてこれができる上司とそうでない人では勝ち取る信頼度が大きく変わってきます。

事業の推進やプロジェクトリーディングのみならず、会社での働き方やちょっとした相談1つとっても、後輩や部下からの期待や要望を通すための”自分事”化をしてくれる。

それを通すためには、少しルールや常識、暗黙の了解を逸脱したとしても自分の責任1つで処理してくれる。

そんな上司や先輩の動きは部下・後輩にとって本当に重要な要素となってきます。

意外と簡単なことのようで、自分へ責任が降りかかってくることを避けたい人が多いのも事実。建前だけで預かって全く要求を通せなかったり、アクションをしない人も結構いるので、かなり差別化が図りやすい観点かと思います。

❷誰にでもフラットな態度で接することができる

上司や部下、同僚や顧客に対して偏見や横柄さを持たず、敬意や配慮を示す人を指します。

コミュニケーション能力や対人スキルに優れていることも重要ですが、どちらかというと相手の顔を気にしたり、クライアントや交渉相手によって態度がでかくなったり、言いなりになってしまったりすることなく、信念を曲げずに対応できる人は信頼度が大きく上がります。

仕事における部下や後輩は、自分に対する接し方が良ければOKという訳ではありません。

自分に対しては常に強気な態度なのに、実は八方美人である姿を職場のメンバーから聞いたりすると一気にドン引きしたりする人も多いようです。

極端に女性に対してだけ優しい上司などもいたりしますよね。

上司や先輩に対する社内の声というのは思っている以上に横に広まっていくものだったりします。
目を向けている相手に対してだけでなく、広い視野でフラットにコミュニケーションの質を保つことも信頼を勝ち取っていく一つ要素です。

ただ、ここで気をつけなければならないのは、あくまでこれは決断や発言がダブルスタンダードになっていたり、豪語しといたわりに言うべきことを言えないなどのことを指しています。

マネジメントにおいては育成相手のスキルや期待値・本人のモチベーションや置かれた環境に対して適切にコミュニケーションの濃度や強度を変えていく部分は必ず必要になってきますので、ただただ全員に同じ態度ですればいいという訳ではないことを注意していきましょう。

❸仕事でしっかり成果を出している

3つ目のポイントは当たり前のようですが、やはり「仕事の結果を出せる」という人とそうでない人では後輩の味方が変わります。

仕事においては特に「ただ人が良い」だけでは勝ち取れない領域になってきます。

そして、自分自身が管理者となる前もそうでしたが、部下や後輩はかなりこれを気にします。
「この人についていけば、自分も結果が出せそう」と思えるか。

実は信頼をしっかり得ている上司や先輩は”運”もしっかり持っているのが面白いポイント。

ある右肩下がりの事業の管理者として着任した瞬間から、何かしらの理由で事業が計画達成し出す。
そんな「持っている」人がビジネス上には多々いることを結構見てきました。

でもただ”運”が良いという訳でないことも事実で、着任した上司の人となりの良さや過去の実績によって、営業的サポートが増えたり、事業自体が会社の中での重点施策に位置付けられたりと副次的にそんな「成功」が起こりやすい流れの変化を生み出しているからこそ、そんな結果が生まれてくるのではないかと思っています。

つまり人徳と実績に確実性があれば、”運”も引き寄せられるということ。

後輩からすると、そんな逆境でも変化を起こせる上司がやってくると一気にモチベーションが上がってきたりする訳です。

逆を言えば、ビジネスシーンにおいてはどんなに人が良くても結果が出せない人に付いていくのはリスク。信頼を勝ち取る意味でも結果を出すことはマストな条件と言えます。

❹不平不満を口にしない

仕事に対してネガティブな感情や言動を抑え、前向きな姿勢で取り組める人も評価が高いようです。
「相手のせいばかりしている人」と認定されると、一気に信頼は下がっていきます。

これは筆者の経験上、前述の結果を出す・出さない置いておいて共通して気を付けなければならない要素かと思っています。

社内の他部署の文句や悪口ばかりいう上司。
会社の上層部のせいにばかりする先輩。
他責ばかりで自分の落ち度を認めない管理者。

こんな人が上に立つと、部下や後輩にも伝染して組織自体がネガティブでストレスフルな状態になっていくというシーンを多々見てきました。

時には、会社や組織の愚痴で後輩との共感を得る面も必要かもしれませんが、この数が多ければ多いほど自分に対する信頼だけではなく、集合体としても悪い方向に向かっていく。そんなリスクが大きくなるポイントと認識すべきところかと思います。

❺正しく仕事が振れる

前述のように「自分で自分のケツが拭ける」や「成果を出せる」という観点の係数が高くて、自分一人で仕事をしてしまう人も、チームメンバーからの信頼を勝ち取り難い人の特徴だったりします。

部下や後輩目線でいうと、誰でもできる簡単な仕事しか任せてもらえない。
そんな瞬間が増えていくことでも距離は開いていきます。

別に部下や後輩たちは難しい仕事をやりたくない訳ではありません。
難しい仕事でも、丸ぶりされたり、ナレッジやhow toの伝承が全くなく渡されるのが怖かったり、その振られた仕事の責任を押し付けられるのが嫌だという視点から積極性に欠ける場合があるかもしれないことを認識して、正しく仕事を振っていくことに拘っていく事も重要です。

あくまで筆者の個人的な考え方ですが、部下や後輩に対して適切に、公平に、ちょうどいいバランスで仕事を量や重さを振り分けることは絶対にできないものだと思っています。

仕事なので、本人がやりたいことが全て渡せるわけではありません。

大事なのは、それを理解してもらったうえで、何故ゆえにその仕事をあなたに任せたいと思うかをちゃんと伝えられること。
そして、場当たりの依頼ではなく、先々を見越して振っている理由を明確に示せるようにしていくことがポイントの1つです。

この人と協力してこの仕事をすることで、あなたのどんなスキルを高められると思うか。
いま、この重いタスクを渡すのは先々に待つ大きなプロジェクトの推進を任せたいから。

そんな形で、『仕事・タスクを振る理由』を正しく示せるかを意識していく必要があります。
なんなら、それを伝えられない依頼時点で結構アウトだったりします。

結局、ビジネスシーンにおいての上下関係、ここでいう上司部下、先輩後輩の関係は仕事を熟すことで成り立つもの。

仕事を沢山振らないから好かれる、成果を出さなくても優しいから好かれる。
そんな本質とはズレた信頼関係を構築しに行こうとするのは健全ではないと考えたほうがいいかもしれません。

信頼されない上司・先輩の特徴とは

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次に、信頼されない上司・先輩の特徴。

これは前述の「信頼される」人の特徴の裏返しが基本ではあります。
なので、それについては改めて明示しません。

それ以外に「信頼されない人」の際立つ特徴的な要素を2つ並べておきます。

❶威張ったり怒鳴ったりする

上下関係や役職にこだわり、部下や後輩に対して横暴な態度を取る人は、どんなに仕事ができていても嫌がられていくもの。

これを自身の役割とか、部下の怠慢を防ぐマネジメントスキルだという理由で正当化している人がいますが、イコール「時代に則した考え方を持てない人」という意味でも呆れられていると思った方が身の為です。

もちろん、締めるときには締める必要がある場面はあります。
ただ、威圧的なコントロールは長くは続かないもの。
退職者や離任者を生み出し、組織としての活動力が崩れたり、不平不満が増えて別のストレスを溜めやすくなるという傾向を意識していく必要はあるかもしれません。

❷能書きばかり伝えてくる

過去の体験談(武勇伝)、著名人の考えやコメント、本や研修から得たフレームワークや仕事の仕方ばかりを部下に話したり、押し付けたりする傾向が強い人も割と信頼度を得難い傾向があります。

漫画や映画などから得た教訓めいたものをしか話さない人もいたりしますよね…。
見たことない作品や人の言葉を言われたところで、部下や後輩には全然響かなかったりすることも知らず…。

もちろん、自己が影響を受けたノウハウやナレッジ、精神論を伝承するのが悪いと言っているのではないです。
必要なシーンは必ずあります。

知らない本や作品だって見ることでその人の人生や仕事の仕方に大きな影響を与えることもあるかと思います。

ただ、それを毎回毎回話すだけで、実務や職場の状況にマッチさせたり、各々が抱える課題感の解決に紐づけて話すこともしないような人はそのうち「また言ってる」と飽き飽きされることがあることに注意したほうがよさそうです。

他者から得た表面的な考えだけ伝えてきて、自分では何も考えられない人。
過去の経験談にすがりすぎていて、今その時にマッチした解決策を言えない人。

そんなレッテルを張られる危険性がこのポイントにはあることを意識しておきましょう。

信頼される上司・先輩になるための工夫

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上記の「信頼される人」「信頼されない人」の特徴は認識するのが大一歩。

そして、そんな信頼される上司・先輩になるためには、以下のようなところから意識改革やアクションをしてみることをお薦めします。

筆者が個人的にこんな感じで実施しているやり方も参考までに書いておきます。

自分を定点観測し続ける

自分の強みと弱みを把握し、改善が必要な点を見つける。自分の仕事ぶりや態度について客観的に評価する。部下からのフィードバックを受け入れて学ぶ気持ちを捨てない。

<個人的にやっていること>
-立場や年代ごとに信頼を寄せている後輩に今の自分に対する周囲の評価などを教えてもらう
-会議の録音や議事録を見返し、自分の発言や判断とメンバーの反応を第三者目線で確認する


・部下や若手社員の特徴やニーズを理解する

昨今の若手社員は失敗を恐れたり、プライベートを優先したり、転職やキャリアパスに対して積極的だったりすることが多いです。閉鎖的にならず、そうした特徴やニーズを理解した上での伝え方や適切な指導やサポートを行うことを意識しましょう。

<個人的にやっていること>
-1on1 mtgの定期実施(隔週1回程度) 
※業務のタスク管理とは別に業務に付帯する会社や組織環境の不満や乾燥、部下個人としてのキャリア観点やプライベートな相談も含めて会話ができる場を常に持っておく


・部下や後輩の担当タスクやミッションを正確に把握する

割とここの濃度で差が生まれやすいと思っていますが、組織のプロジェクトの進捗確認だけでなく細々した各メンバーのタスクをしっかり可視化して状況を追えるようにしておくことで、その時に適切なアドバイスや情報の伝え方の精度があがってくると思います。

<個人的にやっていること>
-部下本人よりもその人のタスクや今後のアクションプランを語れるようにする
-自分の組織以外の後輩のミッションや対応内容も拾っておく
-SaaSなどの活用で自分が把握したい情報の更新や確認手段を効率化しておく

といった感じです。

1個個人的に思っているアドバイスをここに書くとすると…
仕事の関係における『信頼』のバロメーターは上がったり下がったりしやすいものとして認識しておくのがいいかと思っています。

つまり、信頼を失ったとしても、いつの日か取り返せるチャンスは多い。
逆に、信頼を得ることができても、ふと気を抜いたり調子に乗るだけで失う場合がある。

そんな感じです。

その為、上記に記載したこと以外にも色々と試してフィットするものを見つけに行く努力は怠らない方がいいということ。

例えば、組織やプロジェクト単位で成果が出たときに関わった人たちが都度達成感を感じられるようなマイルストーンの設定(達成会やナレッジ共有の場の設定)をするなど、細々した工夫も並走して走らせていくことで、より信頼を得やすい対策やマインドを見つけることができるようになると思っています。

個々人や会社の風土などにあった正解があるかと思います。
トライ&エラーを繰り返して見つけていきましょう。

求められる上司・先輩像はこれからも変化

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今回は信頼される上司や先輩の特徴と、そこに至るまでの工夫の仕方を中心に筆者の経験談をおりまぜて記事をまとめてみました。

きれいごとなようですが、人から頼られる、慕われるってことは生きていく上でかなり大事な要素かと思います。30代後半や40代以降のビジネスパーソンからすると、仕事のスキルの専門性を磨くこと以上に絶必なことかもしれません。
これをキッカケに素直に自分ができていないことを確認して、改善に着手してみることをお薦めします。

そしておそらく、、、これから先の時代の『良い上司・先輩像』はまた少し観点が変わってくるかもしれません。本質は変化しないかもしれませんが、時代のトレンドに合わせてその時々に自分が悪い方向に向かっていっていないかをチェックしていく気持ちを持って対応していくことを強くおススメします。

筆者も引き続き、良き先輩を目指していきます。

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