今回は仕事に追われ、日々忙しい40代男性が朝の出勤時や退勤時にデスクや鞄の中身、PC内のファイル管理など、整理整頓を定期的に行うことの重要性やメリット、副次効果の説明と、実際に整理整頓を継続させるためのノウハウやナレッジを紹介します。
整理整頓を習慣化することの重要性とは
仕事で責任あるポジションに付けばつくほど業務に追われて、朝は慌てて出勤し、夜は疲れ果てて帰宅する。そんな日常を送っている方はとても多いかと思います。
特に30代、40代のビジネスパーソンは実務面でも、管理面でも幅広い担当領域を管轄するケースも多く、”仕事が溢れる”ような状況に陥りやすい場面も少なくありません。
そんな生活を送っていると、デスクや鞄の中身、PC内のファイル管理など、”整理整頓”をする時間や気力がなくなってしまいますよね。
しかし、そんな中でも、、、いやそんな中だからこそ”整理整頓”を怠ると、仕事の効率や品質が低下したり、自分の心や身体に悪影響を及ぼしたりすることがあります。
そこで今回は、整理整頓を定期的に行うことの重要性やメリット、副次効果について説明し、実際に整理整頓を継続させるためのノウハウやナレッジを紹介します。
整理整頓が癖付けされていない人は、結局何をやっても変わらない。
そんな思いを持つ人も、改めて他社の成功事例やノウハウといった情報のシャワーを浴びることで、自身を変えるヒントを得る気持ちがスタート地点。
結局はやるか or やらないか、ではありますがその繰り返しで習慣化を手に入れることもできるかもしれません。
モノは試しと思って参考にしてみていただけると幸いです。
改めて考えてみる整理整頓の意味
まずはじめに、整理整頓とは何かを定義しておきましょう。
整理整頓は5Sと呼ばれる「整理・整頓・清掃・清潔・躾」からなる在庫管理や品質管理における基本的な活動に含まれる最初の2つの活動となります。
それぞれの2語の意味は以下のとおりです。
整理…要るものと要らないものを分別し、要らないものを捨てる
整頓…要るものを取り出しやすく戻しやすい場所に置き、必要な時に取り出せる状態に保つ
では、なぜ私たちは整理整頓をすることが重要なのでしょうか?
その理由は以下の通りです。
- 整理整頓をすることで、仕事や家事の効率が上がります。
物を探したり取り出したりする時間が短縮されるだけでなく、作業導線もスムーズになります。 - 整理整頓をすることで、無駄なコストや出費が減ります。
紛失や重複購入を防ぐことができるだけでなく、必要以上に物を持たないことで保管費用やメンテナンス費用も削減できます。 - 整理整頓をすることで、安全性や情報セキュリティが向上します。
物が散らかっていると事故や盗難のリスクが高まりますが、物を適切に管理することでそれらを防ぐことができます。
また、書類やデータを整理整頓することで、機密情報の漏洩や紛失を防ぐこともできます。 - 整理整頓をすることで、精神的にも落ち着きます。
物が散らかっていると視覚的にもストレスを感じますが、物を整理整頓することで環境が清潔になり、気分もすっきりします。
また、物を捨てることで心の中の不要なものも手放すことができ、心の余裕も生まれます。
以上のように、整理整頓をすることは、仕事もプライベートも充実させるために非常に重要なことと言えます。
整理整頓のメリット
次に、整理整頓をすることで得られるメリットについて具体的に見ていきましょう。
整理整頓をすることで得られるメリットは以下の通りです。
時間の節約
物を探したり取り出したりする時間が短縮されるため、その分他の作業に時間を割くことができます。
たとえば、デスクや鞄の中身を整理整頓するだけで、1日あたり10分程度の時間が節約できると言われています。これは1ヶ月で約5時間、1年で約60時間に相当します。
この時間を有効活用すれば、別の業務を行うことによる仕事の成果や自身のスキルアップ向上にもつなげることができます。
現在では、効率的な働き方を求められる時代でもあるので、時間の節約によって評価に結びつき結果として年収アップに寄与する場合も考えることができます。
お金の節約
整理整頓ができる状態というのはある意味「いるもの」と「いらないもの」をしっかり分別できることを示します。
その為、「いらないもの」を判別できることによって無駄な出費を防ぐことができ、結果として節約に繋がる可能性を秘めています。
いらない間食の出費
いらない飲み会の出費
いらない洋服への出費
などなど、改めて見直せばそぎ落とせる要素は日常生活に沢山散らばっています。
節約もさることながら、本当に自分にとって価値のあるものに投資できるような状態を作ることで金銭面でもしっかり効果を生み出すことができるヒントが”整理整頓”には含まれているといっても過言ではありません。
頭の回転力向上
物理的な整理整頓を行えば行うほど、頭の中の思考の整理も自ずとできていくのが非常に大きなメリットの一つと言えます。
仕事に追われる30代や40代のビジネスパーソンにとって、スケジュールやタスクを”整理整頓”できるだけで、求められる判断や企画アイデア、資料のストーリーの精度が高まることは間違いありません。
また、思考の整理によっては自分以外の部下やチームメンバーの管理を行う上でも情報整理ができることに繋がる為、マネジメントレイヤーに方々には必須で求められる要素が”整理整頓”力と言えるかもしれません。
頭の回転力の向上は、思考のゆとりを生み出す面もあります。
ちょっとした仕事の合間にプライベートの旅行の計画を立てたり、仕事帰りの買い物忘れを防いだりと心の余裕に繋がるような影響力を持ち合わせていることも忘れてはいけません。
正しい整理整頓のやり方とは?
では実際に”整理整頓”はどのようなやり方を念頭におけばよいかを考えてみましょう。
整理
整理とは、「要るものと要らないものを分別し、要らないものを捨てる」こと。
以下に、具体的な方法を示します。
- 要る・要らないの判断基準を明確にする
- 要るものと要らないものを分別する
- 要らないものを捨てる
判断基準は、自分にとって必要かどうか、使用頻度はどれくらいか、期限はあるかどうかなどを考慮して決めます。
分別する際には、要るものと要らないものを物理的に分けておくとわかりやすくなります。
良く整理術のYoutubeや本などにも出てきますが、まずもって選別をするために箱を分けてみるなどが一つの手法と言えます。
整頓
整頓とは、「要るものを取り出しやすく戻しやすい場所に置き、必要な時に取り出せる状態に保つ」こと。
以下に、具体的な方法を示します。
- 定位・定品・定量からなる3定の考え方を基本にする
- 物置場所を見える化する
- 物置場所を使用頻度や作業導線に応じて決める
3定とは、「置く場所(定位)」「置くもの(定品)」「置く量(定量)」を決めることです。
物置場所はラベルや色分けなどで見える化することで誰でも把握できるようにします。
物置場所は使う場所や使うタイミングに合わせて決めることで出し入れがしやすくなります。
前述の整理と比較し、整頓は割とひと手間かかりますが、おそらくこの整頓の工夫が自分にマッチしているか否かで、日々の散らかりが無くなってくるのではないかと思います。
整理整頓を習慣化するには?
整理整頓は一度だけではなく、定期的に行うことが大切。
しかし、忙しさや面倒さから後回しにしてしまうことも多いでしょう。
そこで、以下に整理整頓を習慣化するためのコツを記載します。
- 整理整頓のタイミングを決める
- 整理整頓の時間を決める
- 整理整頓の目標を決める
- 整理整頓の効果を確認する
- 整理整頓の楽しみ方を見つける
整理整頓のタイミングを決める
整理整頓を習慣化するには、定期的に行うタイミングを決めることが重要です。
例えば、以下のようなタイミングがあります。
- 朝の出勤前や夜の帰宅後にデスクや鞄の中身を整理する
- 週末や月末にPC内のファイルやメールを整理する
- 年始や年末に書類や本などを整理する
これらのタイミングは、自分の生活リズムや仕事内容に合わせて調整できます。
また、整理整頓を他の習慣と組み合わせて行うことで、より定着しやすくなります。
例えば、以下のような組み合わせがあります。
- コーヒーを飲む前にデスクを整理する
- ランチを食べる前にメールを整理する
- テレビを見る前に鞄の中身を整理する
このように、具体的なシーンに合わせて何をするかを定めることは習慣化を生み出す1つのテクニックと言えます。
自身の活動サイクルに合わせて、”片付け”の要素を掛け算してみることが大切です。
整理整頓の時間を決める
整理整頓を習慣化するには、かける時間も決めることが重要です。
時間が長すぎると疲れてしまったり、他のことができなくなったりします。
時間が短すぎると効果が感じられなかったり、途中でやめてしまったりします。
そこで、適切な時間を設定することが大切です。
一般的には、5分から30分程度がおすすめです。
5分ならば、デスクや鞄の中身など簡単なものを整理できます。
30分ならば、PC内のファイルやメールなど複雑なものを整理できます。
また、はじめのうちは時間を決める上でタイマーなどを使って計測すると効果的です。
タイマーが鳴ったら、作業を終了して次のことに移りましょう。
やってみると永遠と片付けをしてしまう場合がありますが…。
これがある意味習慣化しない一つの理由です。
割り切って途中で止めることも時間を定める最大のポイントとなりそうです。
整理整頓の目標を決める
整理整頓を習慣化するには、目標も決めることが重要です。
目標があれば、モチベーションが上がります。
また、目標達成のために計画や進捗管理もできます。
目標は具体的かつ達成可能なものにしましょう。
例えば、以下のような目標があります。
- 1週間でデスク上の物を半分以下に減らす
- 1か月でPC内のファイルやメールを3割減らす
- 1年で書類や本などを1/4に減らす
これらの目標は、数値化や期限付けがされていて、明確にわかります。
また、自分の能力や状況に合わせて設定できます。
目標を決めたら、それに沿って整理整頓の計画やスケジュールを立てましょう。
そして、定期的に進捗を確認し、必要に応じて修正しましょう。
尚、目標を置く上で半分や何割削減するという設定が最初の打ちは曖昧化してしまい、実際に作業をしてもあまり整理整頓ができない結果に陥る場合があります。
設定した目標を達成することが目的になってしまうようなイメージがあり、健全な行動ではないように思えますが、この”整理整頓”においては明確な目標値が無いと達成感を得ることが難しい面があります。その為、敢えて●割はカットするなどと、数字的な目標を立てて行動することをおススメします。
また目標の設定において、1割減など、小さめの目標せってをしてしまうことも、”整理整頓”の実感値や効力を生み出しにくい部分がありますので、適正な大きめの目標を立ててから始めることを推奨します。
整理整頓の効果を確認する
整理整頓を習慣化するには、効果も確認することが重要です。
効果が確認できれば、満足感や達成感が得られます。
また、効果の測定や評価もできます。効果は主観的なものと客観的なものに分けられます。
例えば、以下のような効果があります。
- 主観的な効果
- 心が落ち着く
- 集中力が高まる
- 幸福感が増す
- 客観的な効果
- 物や情報が見つかりやすくなる
- 無駄な時間やコストが削減される
- 安全性やセキュリティが向上する
また、これらの効果は、自分で感じたり、記録したり、評価したりすることで確認できます。
例えば、以下のような方法があります。
- 自分で感じる
- 整理整頓前後の気分や感想を日記に書く
- 整理整頓前後の写真や動画を撮って比較する
- 記録する
- 整理整頓にかかった時間や捨てた物の量をメモする
- 整理整頓によって節約した時間やコストを計算する
- 評価する
- 整理整頓の目標達成度や満足度を点数化する
- 整理整頓の改善点や課題を洗い出す
どのアプローチでも自身の中で”整理整頓”の実感値を記録していくことが非常に重要です。
レコーディングダイエットというようなテクニックがありますが、この”整理整頓”を習慣化するという行為も同様に成果や実施状況を可視化することに意味があります。
整理整頓の楽しみ方を見つける
整理整頓を習慣化するには、楽しみ方も見つけることが重要です。
楽しみ方があれば、楽しみながら作業できます。また、楽しみ方の工夫や発見もできます。
楽しみ方は人それぞれですが、以下にいくつかの例を示します。
- 音楽を聴きながら整理整頓する
- 整理整頓をゲーム感覚で行う
- 整理整頓を友人や家族と一緒に行う
音楽を聴きながら整理整頓すると、リラックスしたりテンポよく作業できたりします。
音楽は自分の好きなものや作業に合ったものを選びましょう。
整理整頓をゲーム感覚で行うという手もあります。このゲーミング要素を含めて実施することによりワクワクしたりチャレンジしたりできます。
ゲーム感覚は、タイムアタックやポイント制など自分でルールを決めて作り出すことができます。
また、整理整頓を友人や家族と一緒に行うと、協力したり競争したりできます。
友人や家族と一緒に行う場合は、互いに助け合ったり励まし合ったりすることで、楽しくやり遂げることができます。ただし、相手のペースや好みに合わせることも大切です。
整理整頓を習慣化するには?(番外編)
最後に、実際に筆者が整理整頓を習慣化させる上で非常に効果的だった方法も2点ほど紹介します。
前提に書きますが、整理整頓の重要性自体はわかっていても、目の前の忙しさに後回しを繰り返し、一向にデスク周りやPC内のファイル管理、乃至は自宅の部屋の片づけも中々進まないような傾向が筆者にはありました。
そんな中、以下の2点の考え方やルールを導入した結果、割と”整理整頓”が継続的に行われるようになりました。
自身の変化のキッカケとなった対策でもあるので、同じような境遇にいる方はぜひ参考にしてみていただけると幸いです。
他者に見てもらう予定を敢えて立てる
自分自身の決意一つでは、行動に変化が起きにくい場合、やはり他者を巻き込むことが最も効果的です。
・家に友人を呼ぶ
・スケジュールを他者に開示する
・デスク周りの整理やファイル整理のタスクの締め切りを宣言し、見てもらう
といった形で他者の目をいれることを前提にセットすれば、自ずと”整理整頓”をするべき必要性にせまられます。
自身の家に他者を敢えて呼ぶ日を設定するだけで、必ず部屋の整理整頓を行う為の重い腰が上がります。また、来る人によっては趣味趣向や視点が違うこともあり、別の日では気づかぬような箇所を片付けたり、要るもの・要らないものの基準値が変化したりする点で非常に有効な活動に変えることができます。
また、仕事やプライベートのスケジュールなどを極力開示する癖をつけることで、自身の頭の中や時間調整がきれいに整えられているかを示すキッカケを作れたり、デスク周りやPC内の整理整頓自体を行うことを敢えて宣言して、チェック役を設定するだけで自身を追い込むこともできたりします。
定期的にこのようなシーンを自身で作り上げることだけでも、自分だけの意思では動きが鈍る人にはいいキッカケとなります。
また他者からのコメントや反応も得られるので、”整理整頓”を行うことの気持ちよさや達成感も得やすい面があるのでおススメです。
年末以外に大掃除をする
整理整頓が苦手な人の代表的なフレーズは「年末に片付けするから後回しでいいや」です。
この考え方によって、整理整頓が習慣化されないサイクルを1年単位で先延ばしにしている事実に気づくことがまず重要です。
また、その年末に行う片付けや大掃除自体も、半ば中途半端な状態で終わっているケースも多く、永遠と”整理整頓”の有用性に気づかぬまま生活することを作ってしまう大きな要素と言えます。
その為、筆者はある時から年末に大掃除をすることを辞めることにしました。
そしてそれによって定期的に部屋を片付けたり、情報を整理する必要性を間接的に作り出したという感じです。
年末に大掃除をしない為には日々どういう生活態度を送るべきか。
その目標設定を実行する上では日々の”整理整頓”は欠かせません。
何せ、年末年始のような大型連休は年間でもGWやシルバーウィークくらいしかないので、こんなどこかに出かけたい連休を使ってまで大掃除しようとも思わないと考えたからです。
結果、その推測は正解で、日々の”整理整頓”を行わないと、徐々に年末にしわ寄せがくる可能性に気づけるようになってきました。
これは一つのルールメイク・目標設定の手法に過ぎませんが、自分の中でも最も悪となる因子は「年末の大掃除」にあることに気づき、伐根から考え方を変えられたことは人生において非常に重要なキッカケとも言えます。
箱を先に変える・買う
“整理整頓”を行うにあたり、棚やデスク、乃至は常に持ち運ぶビジネスバックなどを一定期間で買い替えるなどを行うことで、自身が行動をするための意欲向上を狙ってみるときがあります。
特に、バッグなどを刷新すると改めて自身が持ち運ぶべきアイテムの「要るもの」「要らないもの」を整理することができますし、現時点の自分にとって必要なアイテム数はどの程度かが、トレンドやサービスの普及状況によって変化してきます。
クラウド管理やキャッシュレス決済が当たり前になった今であれば、昔と比較してかなり持ち運ぶアイテム数を削減できており、選ぶバッグ自体も変化してきます。
棚もデスクも、PCもそうですが、定期的に刷新を図ることで、この”整理整頓”の意欲を高めることも一つのテクニックと言えるかもしれません。
※尚、ビジネスバッグの刷新をお考えの方はこちらの記事で紹介してますので参考までに。
まとめ
この記事では、整理整頓を定期的に行うことの重要性やメリット、副次効果と、実際に整理整頓を継続させるためのノウハウやナレッジを紹介しました。
整理整頓は仕事のパフォーマンスを高めるだけでなく、心身の健康や幸福感にも影響します。
しかし、整理整頓を習慣化するのはなかなか難しいものです。
そこで、以下のポイントを覚えておきましょう。
・整理整頓の方法は5Sの考え方を基本にする
・整理整頓の習慣化はタイミング・時間・目標・効果・楽しみ方を決める
・整理整頓は自分の生活リズムや仕事内容に合わせて調整する
これらのポイントを実践すれば仕事が忙しいあなたも、きっと整理整頓ができるようになります。
整理整頓は自分自身のためにも他人のためにもなることです。
そして、自身を変えていくためのかなり大きなキッカケを作ってくれるものだったりします。
ぜひ、この記事を参考にして、整理整頓に着手してみてください。
あなたの仕事や人生がより良くなることを願っています。
了