アンガーマネジメントは意味がない?6秒ルールの重要性とおすすめ本を紹介

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毎日うまくいくことばかりではないですよね。日常生活の中で積もるストレス・イライラが沸点に来て職場のメンバーや家族・子ども、友人に対して人に強く当たってしまい後悔する瞬間ってありますよね。最近ではテレビや雑誌、動画・SNSを通して6秒ルールやアンガーマネジメントを活用したイライラを解消する方法を目にする機会が増えてきました。そんな中でも「本当に意味があるの?」「やってみたけど効果がない」と思うあなたに改めてアンガーマネジメントのやり方と参考となる書籍の紹介をしていきます。

アンガーマネジメントって何?

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まずアンガーマネジメントとは何か。

アンガーマネジメントとは「6秒ルール」という自己制御を促すルールメイクが先行して有名になってきていますが、ストレスからくるイライラする感情やその先の怒りの感情を適切にコントロールするための心理トレーニングの1つです。

大前提、ストレスや怒りを溜めすぎると鬱になってしまったり、体調が維持できず病気になったりとリスクはあるので一定の掃き出し・発散は大切。
その為”怒り”自体は人間にとって必要な感情ではありますが、それが過剰になると自分や周囲に悪影響を及ぼすことがあります。

冒頭でも書きましたがイライラが制御できなくなると例として以下のようなトラブルを発生させてしまう可能性が高まります。

  • 仕事の部下に対して良い過ぎてしまった
  • 家族やパートナーを傷つける暴言を吐いてしまった
  • 子どもの育児をしているときに手が出てしまった

自分では冷静でいるつもりでも、トリガーを引いてしまうと咄嗟に思いもよらないアクションをとってしまう。

それによって、パワハラやモラハラなどのハラスメントや、さらに先の虐待や事故・事件に繋がってしまうリスクがあるにもかからず、制御できない自分に悩みを抱えている人も少なくありません。

特に仕事の責任が増えたり、子どもが生まれ家庭的な経済状況への不安を抱えたりと自分以外の係わりの濃度が高まり生活環境の難易度が上がっている30代後半や40代の方々は、以前よりもイライラしたり、怒りを放つシーンが増えてきて、その変化自体に自分で驚いている方もいるのではないでしょうか?

年齢と共にホルモンバランスが変化し、所謂「更年期障害」の傾向も絡んで、過去では考えられなかったほど怒ることが増えてしまっている。自分の感情を理解できなくなる。
考えれば考えるほど更に不安やストレスが溜まっていき、負のサイクルにハマってしまう。

そんな状態を解消していくアプローチは主に以下の2種類となってくるかと思います。

❶知る…ストレスやイライラを生み出す要因と自分自身の理解
❷対処する…テクニックや心理的アプローチによる自分自身のコントロール

今回は❷の対処法の一つとして【アンガーマネジメント】の重要性をまとめていきたいと思います。

尚、❶の「知る」に関するストレスの根源やメカニズムを事前に理解する重要性については以下の記事にまとめています。

こちらもぜひチェックしてみることをお薦めします。

アンガーマネジメントの実践方法

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では、さっそく具体的にどのようにアンガーマネジメントを実践すればよいかを紹介していきます。

ここでは、基本的な3つのステップと、それぞれの工夫を紹介します。

■STEP1:衝動のコントロール

怒りを感じた瞬間に、すぐに反射的に言動をすると、後悔することが多いのは前項でも述べました。
そこで、衝動をコントロールするための代表的な方法が「6秒ルール」となります。

人間は怒りを感じてから、理性が働くまでに約6秒かかると言われています。

この6秒。割とやってみると長い。

冷静になろうと思って一度感情を押し殺しても…意外と3秒くらいしかもたない。
何せ、コミュニケーションの中で6秒の間をつくる難易度の高さ。

かなり意識的に実践しない限り、やってみてるようで6秒待てていない人意外と多いかと思います。

そのため、コミュニケーションの中でこの「6秒ルール」を導入していく際は、適切な相槌を入れたり、断りをいれて間を作るなど、割とアクションの固定化をしてやってみることが大切かもしれません。

筆者の場合は、「あー、なるほど…」とか「ちょっと待ってね」とか…。
予め間を作る一言を入れるような工夫をしていたりします。

そして、その上で怒りを感じたら頭の中で1から6まで数えてみる。
会話がぐちゃぐちゃしない6秒を作って、その間に自分の感情や状況を客観的に見直す。

それ以外にもこの6秒の中で頭を空っぽにして深呼吸や水を飲むなど、意識的に数秒リラックスする。こんなことも効果的です。

■STEP2:思考のコントロール

怒りの感情は、極端に言うと自分が抱く「~するべき」という価値観や期待が裏切られたときに生じます。

人によって価値観や期待は異なる。
自分の価値観が常に正しいとは限らない。

頭では理解できていても、自分が描く理想や、自分にとってのあたり前・常識のラインを飛び越した言動や行為をされると、抑えきれない感情が湧いてくるもの。

・自分では良いことをしたつもりでも、相手は迷惑だと思っている瞬間
・自分が仕事の成功の要因だと思っていても、会社からは評価されない瞬間
・家族に貢献しているつもりの自分の立ち位置が一番弱かったりする瞬間

そんなシーンは年齢が上がれば上がるほど増えてくるかと思います。
何せ、ある程度経験値を積んだり、常識を理解したりしてきた訳なので、ある意味その過去の学びや生き様を否定されたような気がするから、猶更ストレスが出てくるのは致し方ないかもしれません。

ただ、その上で何かしらの対処は必要です。

「思考のコントロール」はシンプルにいうと相手目線を保つこと。
自分の価値観や期待を見直し、相手の立場や状況を考えることです。

例えば、「部下は締め切りを守るべきだ」という価値観がある場合、部下が締め切りに遅れたら衝動的に注意したり、怒ったりしてしまいますが、「部下は締め切りを守ろうと努力しているかもしれない」「部下は他の仕事やプライベートで忙しかったかもしれない」という思考を持つだけでも、怒りの瞬間風速を下げることができたりするかもしれません。

子どもが道路に飛び出したり、危険な遊びをしていたとしても、子どもの立場で考えるとそもそもの危険性をしっかり理解できていないからかもしれません。本質的なリスクの説明に対する理解力がなくても、親の心配や不安を伝えきれていないかもしれません。

一度、相手の立場に置き換えて事象を捉えてみる。

そのマインドセットを持つことで、意外と怒りの感情の上げ下げに変化が起きてきたりします。

STEP3:行動のコントロール

「6秒ルール」を導入したり、相手の立場に置き換える工夫ができるようになったあとは「行動のコントロール」が必要です。


「行動のコントロール」とは、怒りの感情を適切に表現し、問題解決に向けて行動すること。

記事の冒頭でも書きましたが、アンガーマネジメントで重要なポイントは、感情を押し殺してストレスを溜めようという話ではないこと。

適切に自分の受け取った感情や考えを表現することに冷静になっていく必要性と、その上での行動力が求められるという花であることを意識していきましょう。

怒りの感情を表現するときは、相手に攻撃的にならず、自分の感情や考えを冷静に伝えることが大切。

例えば、「お前はダメだ」という非難をするのではなく、「私は締め切りに遅れると困る」という要望や思い、事情を伝える言い方にしてみる。

「これはダメ」とただ言うのではなく、「自分はこの状態は良くないと思っている。なぜ考えの乖離が生まれるのかを理解したいし、自分の考えが行き届いてないなら説明させてほしい」と伝える。

といった感じで、自身から放つアウトプットを感情に流されない「行動」を意識的に取り入れていくことが重要です。

また、問題解決に向けて行動するときは、相手と協力して解決策を探すことも1つの手です。
例えば、「次回からはどうすれば締め切りに間に合わせられるか」「私はどうサポートできるか」などの話し合いをすることで、お互いに冷静なアクションをとることができるかもしれません。



上記の3つのコントロールがアンガーマネジメントの基本的なステップ。

筆者も日々工夫しているので、徐々に自分自身のコントロールができるようになってきましたが、能書きとして理解するだけでは変化は起こりません。
一朝一夕に身に付くものではないと理解した上で日々の練習や反省を重ねることで、自分の感情をコントロールできるようになるものと思ってください。

アンガーマネジメントを取入れた成功例

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実際にアンガーマネジメントを取り入れた組織の成功例を幾つか紹介していきます。

■CASE1:大手飲料メーカー

営業部門の社員のストレスやコミュニケーション不足による業績低下や離職率の高さに悩んでいた企業がアンガーマネジメントの研修を全社員に対して実施。

研修では、自分の怒りのタイプやトリガーを知り、怒りを感じたときに冷静になる方法や相手との対話の方法を学んだことで変化を生み出したようです。

研修の効果は、社員の満足度やモチベーションの向上、コミュニケーションの改善、顧客満足度や売上の増加などに現れたとのこと。

社員は、自分の感情をコントロールできるようになり、クレームや競合との交渉などにも健全な対応ができるようになり、部署間や上司と部下との関係も良好となったようです。

結果、組織力やチームワークが高まったという成功例です。

その後、この企業はアンガーマネジメントを経営戦略の一つとして位置づけ、定期的に研修を行っているとのことです。


■CASE2:中小製造業

この企業は、製品の品質管理や納期管理に厳しい要求があるため、工場内でのストレスが高く、作業員や管理職の間でトラブルが多発していました。

そこで、アンガーマネジメントの研修を工場長以下の全員に対して実施。

研修では、自分の怒りの原因やパターンを分析し、怒りを感じたときにリラックスする方法や問題解決する方法を学びました。

研修の効果は、作業員や管理職の間での信頼関係や協力関係の構築、作業環境や安全性の向上、製品の品質や生産性の向上などに現れたとのことです。

作業員や管理職は、自分や相手の感情を理解し、建設的なフィードバックや意見交換ができるようになり、ストレスが軽減され、結果として作業効率が高まったようです。

アンガーマネジメントを人材育成や組織風土改善の一つとして取り入れることで、ツールや業務改革以外の方法で業務効率化に繋げた優良な事例の1つかと思います。


■CASE3:大学病院

この病院では、医師や看護師など医療従事者が多く働くため、患者や家族からのクレームや苦情に対応することが多くありました。
そこで、アンガーマネジメントの研修を医療従事者全員に対して実施。

研修では、自分の怒りのレベルやサインを知り、怒りを感じたときに適切な対処法や表現法を学んだとのこと。

研修の効果は、医療従事者のコミュニケーションスキルや対人関係スキルの向上、患者や家族との信頼関係や満足度の向上、医療ミスや訴訟の減少などに現れました。

医療従事者は、自分の感情を管理できるようになり、患者や家族の感情やニーズにも寄り添えるようになったとのことです。

また、同僚や上司との関係も改善され、チーム医療が円滑に進められるようになり、この病院ではアンガーマネジメントを医療の質や安全性の向上の一つとして重視しているようです。

おすすめ本の紹介

最後にアンガーマネジメントを取り入れる上で筆者が参考になったお薦め本を紹介していきます。
アンガーマネジメントに関する本や記事は昨今非常に多い為、自分の課題感や悩み、環境面にあったテーマにハマる本を見つけてみることが重要です。

・[図解]アンガーマネジメント超入門 「怒り」が消える心のトレーニング

・マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント

・もう怒りで失敗しない! アンガーマネジメント見るだけノート

・アンガーマネジメント 怒らない伝え方

・アンガーマネジメント超入門 「怒り」が消える心のトレーニング [図解]

・アンガーマネジメント×怒らない体操 たった6秒で怒りを消す技術

・上手なセルフコントロールでパワハラ防止 自治体職員のためのアンガーマネジメント活用法

・子育てを通して考えるアンガーマネジメント: 子育てでイライラするとイヤな気持ちになりませんか?


以上です。

上記以外にもお薦めの手法としては、「kindle unlimited」にアンガーマネジメントに関する著書がかなりの数存在するので、様々な本を流し見して、自分にあってそうな書籍を見つけ、じっくり読むことも可能だったりします。

適切に「イライラ」と向き合う

今回はアンガーマネジメントの重要性と導入する工夫や成功例とおすすめの著書の紹介をまとめてみました。
前述のとおり、アンガーマネジメントを導入して自分をコントロールするメリットを理解し、まずは衝動のトリガーとなる自分の行動や思考を見直してみることが重要となります。

実践できるところからトライ&エラーを繰り返していくこと。
一気に改善を望まない。焦らない。

個人的には、起こりやすくなったり、イライラしたりする機会が増えたのは「自分の問題」というよりも、誰もが通る道であるんだという認識の上で日々向き合っています。
その為、アンガーマネジメントを取り入れるなど、何かしら対処法をしっかり学んで取り入れないと中々簡単には解消できないものとして捉えています。

また、会社などの組織においてもこのアンガーマネジメントを取り入れることによって、業務効率を上げたり、離職率を下げたりと集団でのコミュニケーションの健全化が組織力向上に役立てることができることについても大変興味深い分野かと思っています。

管理レイヤーの立場にいる人も多い40代の男性にとって、ビジネス面でも導入検討するメリットはありそうです。

アンガーマネジメントを自分のものにして、健やかな毎日と安定した成果を獲得しに行きましょう。

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